タンパク質の取りすぎに注意!
前回は人体にとって必要なたんぱく質のお話しをしました。
人体のほとんどを構成するタンパク質ですが、とりすぎたときには事態にとってどのような悪影響があるのでしょうか。
なんでも取りすぎは良くなく、程よくがいいのです。
肝臓と腎臓に負担がかかる
タンパク質を必要量の2~3倍過剰にとる生活が続くと消化に時間がかかります。
通常タンパク質はアミノ酸に分解、吸収され肝臓から全身に運ばれますが、摂取したタンパク質が多いと細胞へのアミノ酸補給が終わっても余分にアミノ酸が残ります。
そうなると肝臓でアミノ酸を分解して違う物質を作ったり、体外に排出するために腎臓の働きが活発になったりします。
・肝臓が働きすぎると⇒全身の代謝が低下する
・腎臓が働きすぎると⇒腎疾患のリスクが高まってしまう
スポーツパフォーマンスが落ちる
上記に書いたようにタンパク質を余計に摂取すると、肝臓と腎臓がタンパク質を処理する作業に追われてしまい、肝臓に貯蓄されているグリコーゲンやアミノ酸を体に供給する余裕がなくなってしまいます。
長時間の運動を続けると、筋肉中のエネルギー源となる筋グリコーゲンは枯渇する。
↓
血液中の血糖を使用し、体を動かそうとする。
↓ さらに、それもなくなると
肝臓の中のグリコーゲンを分解して、血中に取り込もうとする。
↓
肝臓はアミノ酸の分解で忙しいため、その機能は働かない。
↓
パフォーマンスの低下となる。
肥満の原因となる
摂取したタンパク質は様々な過程を経て、アミノ酸に分解・吸収され、全身の細胞内へと運ばれて筋肉や臓器などの新陳代謝や酵素、ホルモンの材料となります。
しかし、必要摂取量を超えたアミノ酸の一部は、脂肪として合成され、体内に貯蔵されてしまう。その蓄えた脂肪を運動などで使用しない場合は、当然肥満につながります。
筋肉をつけようとタンパク質を摂取することを考え、必要以上に摂取し肥満にならないよう注意しましょう。
含硫アミノ酸が尿路結石のリスクに
動物性たんぱく質には硫黄が多い含硫アミノ酸が多く含まれている。その、含硫アミノ酸を肝臓が分解しようとすると、リン酸塩や硫酸塩などの物質が発生します。
これらリン酸塩や硫酸塩は腎臓でのカルシウムの再吸収を阻害し、膀胱内でホウレンソウやコーヒーなどに含まれるシュウ酸とカルシウムの結晶化を促し、結果として尿路結石の発生リスクを増やしてしまいます。
尿路結石はking of pain(痛みの王様)と呼ばれるほど痛みです。気を付けましょう。
オナラのにおいが強烈に
特に肉類を大量に食べてタンパク質を取ろうとすると、その余剰分はアミノ酸としては吸収されず、一部が十二指腸に回されます。
その際、胃で十分に消化しきれなかったものはある程度の大きさを保ったまま大腸まで到達してしまいます。
常温に置いただけでも腐ってしまう肉が、それよりも高い温度の体温の腸にあると、その肉は腐敗し、大腸菌などが増えることで強いにおいのオナラが発生してしまいます。
便秘や下痢を引きおこす
上記にある通り、動物性たんぱく質を過剰に摂取すると大腸菌などが増えて腸内環境の悪化を招く可能性があります。
その結果、下痢や便秘を引き起こすかは、その人の体質によりますが、どちらにしろ良い状態ではありません。また、便が不安定な状態が続くと様々な痔を引き起こしてしまいます。
骨粗鬆症のリスクが上がる
摂取したタンパク質は小腸でアミノ酸に分解、吸収されてから肝臓に運ばれますが、体内で使われないアミノ酸の一部は肝臓で分解され、アンモニアとなり、無害な尿素に作り替えられて排泄されます。
この排泄される際にカルシウムも一緒に排泄されてしまいます。
体内のカルシウムが排出されてしまうため、骨粗鬆症のリスクも増えてしまいますが、タンパク質の過剰摂取が、すぐに骨粗鬆症につながるわけではなく、可能性の一つとして覚えておきましょう。
最後に
タンパク質は人体の構成に必要不可欠なものです。人によっては朝食を抜いたりしている方もいるのではないでしょうか。
今回は過剰摂取の際のリスクについてのお話でしたが、自分の生活習慣(運動が習慣化しているか、三食きっちり食べているかなど)や食事内容をしっかりと考えれば、今回紹介したようなリスクは減らせると思います。
また、人体は一度に吸収できるタンパク質の量があるので、一度に大量に摂取しても吸収しきれません。体作りに励んでいる人は、プロテインなどでこまめにタンパク質を補給しましょう。また、普通に生活するだけでも体重1kgあたり1gのタンパク質が必要となります。
自身の体や目的に合った量のたんぱく質を取り、健康的な体を作っていきましょう。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。